真昼の月
何もすることがないのでパソコンに向かって日がなチャットばかりしていた。それと自分のホームページを作って詩を書いたり、自傷の写真を載せたり。ネットに載せた自傷の跡はあたしが生きている唯一の証だ。誰かに見せたい。あたしが持っている傷を眺めて欲しい。
あたしの心の痛みは誰もわからないけど、傷の痛みは想像してもらえる気がする。わからなくてもいい。傷はあたしの存在証明だ。あたしの痛みと、誰かの痛みがリンクすればいい。あたしがいる、そのことを見知らぬ誰かが知ってさえくれればそれだけでいい。
あたしは誰も愛せない。誰とも手を繋げない。ネットは見えない手だ。あたしが亡くした心の触手。あたしと見えない相手を痛みで繋ぐ唯一の手段。だけどあたしは相手の痛みには関心がない。誰かと痛みを分かち合うなんてそこまでお人よしじゃない。
痛みはあたしに固有ものだ。相手の痛みは相手の痛みであって、同じような理由で同じような心の傷を持ってる同士がいたとしてそれがお互い同じように痛いかといったら決してそうじゃない。あたしみたいにリスカする子なんて五万といる。それぞれがそれぞれの理由で自傷する。中にはファッションで切る子だっている。
前にあるサイトのチャットに入ったら、カメラを出して自己採血を中継している女の子がいた。注射針かなんかで少しばかり刺して蚊に刺されたほどの血を流して喜んでいる。
あたしの心の痛みは誰もわからないけど、傷の痛みは想像してもらえる気がする。わからなくてもいい。傷はあたしの存在証明だ。あたしの痛みと、誰かの痛みがリンクすればいい。あたしがいる、そのことを見知らぬ誰かが知ってさえくれればそれだけでいい。
あたしは誰も愛せない。誰とも手を繋げない。ネットは見えない手だ。あたしが亡くした心の触手。あたしと見えない相手を痛みで繋ぐ唯一の手段。だけどあたしは相手の痛みには関心がない。誰かと痛みを分かち合うなんてそこまでお人よしじゃない。
痛みはあたしに固有ものだ。相手の痛みは相手の痛みであって、同じような理由で同じような心の傷を持ってる同士がいたとしてそれがお互い同じように痛いかといったら決してそうじゃない。あたしみたいにリスカする子なんて五万といる。それぞれがそれぞれの理由で自傷する。中にはファッションで切る子だっている。
前にあるサイトのチャットに入ったら、カメラを出して自己採血を中継している女の子がいた。注射針かなんかで少しばかり刺して蚊に刺されたほどの血を流して喜んでいる。