真昼の月
逢って欲しいという赤い文字を見ていると呼吸が乱れ、過呼吸の発作が始まりそうだった。。
携帯が鳴った。
息が上がって脈拍が速くなる。心臓が激しく波打っている。得体の知れない恐怖心に襲われてあたしはすがりつくように電話に出た。
「
聖羅」トモからだ。
「こ、呼吸ができない……」
あとは激しい息遣いだけ。
言葉が出てこない。
頭がぼうっとして指先が痺れる。その痺れが腕まで上がってくる。波打つ痺れに忘れていた傷跡の痛みが便乗してくる。
「落ち着いて」
「過喚起?」
「う……う……」
「そばにスーパーの袋かなんかないか?」
「な……い……」
「そうか。それじゃ口元を手で覆って。」
トモは冷静な口調で指示した。
あたしは言うとおりにした。
「ゆっくり息を吐いて、吐いた息をゆっくり吸い込んで。二酸化炭素を取り込むと治まるんだ」
薄れそうな意識の片隅にトモの声が響いた。
鋭い痺れが次第に緩慢になってくる。
見慣れた部屋の光景がぼんやりと膨らんで次第に白くなっていく……
ホワイトアウト。
携帯が鳴った。
息が上がって脈拍が速くなる。心臓が激しく波打っている。得体の知れない恐怖心に襲われてあたしはすがりつくように電話に出た。
「
聖羅」トモからだ。
「こ、呼吸ができない……」
あとは激しい息遣いだけ。
言葉が出てこない。
頭がぼうっとして指先が痺れる。その痺れが腕まで上がってくる。波打つ痺れに忘れていた傷跡の痛みが便乗してくる。
「落ち着いて」
「過喚起?」
「う……う……」
「そばにスーパーの袋かなんかないか?」
「な……い……」
「そうか。それじゃ口元を手で覆って。」
トモは冷静な口調で指示した。
あたしは言うとおりにした。
「ゆっくり息を吐いて、吐いた息をゆっくり吸い込んで。二酸化炭素を取り込むと治まるんだ」
薄れそうな意識の片隅にトモの声が響いた。
鋭い痺れが次第に緩慢になってくる。
見慣れた部屋の光景がぼんやりと膨らんで次第に白くなっていく……
ホワイトアウト。