続・狼彼氏×天然彼女
「俺は、お前だけとシてぇの」
左手をあたしの腰に回して、抱き締められる。
嬉しい。
あたしだけって、特別に想ってくれてるんだよね?
「体目当てとかじゃなくて、俺は実紅が好きだから実紅を抱きたいって思っただけ」
「だ、抱きたい?」
「あぁ、実紅を抱きたい」
こらこらこらっ!!
抱きたいとか言うなっ!!
赤くなったであろう、あたしの顔は舜の胸に押し付けられた。
「だから帰んな」
「…っ」
「一緒に大人の階段上ろうよ」
うん、いいよ。
―…なんて言うかっ!
上んないって!
「拒否権なし」
「ありっ!」
「あ?」
「何でもないっす」
結局拒否権は、あたしには無いんかいっ!
しかも、舜の怖ーい目力に負けてしまった。
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