続・狼彼氏×天然彼女
実紅の頭の上には、“?”が、たくさん浮いていた。
そのとき、舜は本気で“こいつ、本物の天然だな”と、1人で納得していた。
…舜とあたしの体勢は、何も変わることなく
あのまま。
でも、変わったと言ってもいいのが、2人の腕だと思う。
さっきまでは、舜があたしの腕をガッチリ掴んでた。
でも今は、あたしの顔の横にあるだけで、あたしの腕は自由になっている状態だ。
「な、なんで……声、出さなきゃいけないのよ…」
「ん?……そんなの、そのうち分かるから」
ほんとかな?
疑い深いな…。
「実紅は黙って、俺にキスされてりゃいいの」
舜は、王子様スマイルを、あたしに見せた。
いつもは、こんな笑顔見れるはずないのに…。
だから、この笑顔はレアだな。
でもあたしは、顔が赤くなってしまった。
…っ恥ずかしい。
.