続・狼彼氏×天然彼女
あたしたちは、何も言い返せずにそのまま座っていた。
「…で? ここが、分かんねぇんだっけ?」
でも結局は、教えてくれる。
辛口で意地悪なくせに、本当は、優しいんだよね。
…って、あたしは何んで、改めて舜の良いところを振り返ってんのよ。
バッカみたい…。
「……実紅、」
へ…?
舜が修夜に向けてた体をこっちに向けた。
突然呼ばれた名前に、あたしは戸惑った。
他の3人は、普段では見られない勉強に夢中な体勢でいた。
「…ちょっと来て」
あたしは舜にトイレ前に呼び出された。
みんなが勉強してる場所からは見えない。
なぜなら、ドアがあるから。
って、かなり危険じゃん。
「…あれ、何?」
きっと舜が言ってる“あれ”とはあたしが持ってきた“お泊まりセット”のことだろう。
ついにバレたみたい。
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