続・狼彼氏×天然彼女
だって実際、テストの点数の差は無くても最低5点差ぐらいで、あったとしたら20点差もあるぐらいだ。
だからこそ言い返せなくなってしまうわけで。
「…で?」
片手を壁につき、全体重を掛けた舜は、寄り一層、あたしとの距離が狭くなった。
っていうか“で?”って言われても、なんの話か分からない。
「今日、泊まんの?」
「っえ?きょ、今日?!なんで、あたしが泊まるのよっ!」
「…は?だって今日、泊まる気満々なんじゃねぇの?」
泊まる気満々じゃないし!
いや、少しは、泊まりたい気もするけど…。
“泊まる気満々”なんて、そこまで張り切っていないし。
勝手に勘違いされると、とーっても、あとから面倒なことになるからされたくないですけど…
「…本当は、泊まりたい?」
「…なっ」
「素直じゃねぇなー」
あんたが、素直すぎだけな気がするんですけどーっ!
いつだってそう、
舜は、自分の気持ちをすぐ言葉に出すから、あたしはいつも、舜に操られてばかり。
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