続・狼彼氏×天然彼女




『…へ?』と言う間なく

奪われた唇。



決して強くは握っていないけど、離してはくれない手。



離れる唇、交わる視線。



いつも、あたしを逃そうとはしてくれない。



そうと分かっていながらも、捕らわれてしまう、あたしの心。



やっぱり、あたしは、君に夢中なんだろうか。




「今は、これで我慢するから。…んの代わりに、俺が手伝ってやんよ、テスト勉強」


「…ほ、本当?」


「あぁ、条件付きだけど」



条件…付き…?


このとき、嫌な予感がした。



絶対何か企んでる。


あたしの中の女の勘が、いきなり働きだした。




「テストで40点以上採れなかったら、…」



テストで40点以上っ?!


無理、無理無理っ!



一年のテストを全部振り返っても40点以上なんて取ったの、国語や英語ぐらいしかない。



だって、40点以上採るなんて、普通のあたしじゃ無理でしょ。



天才じゃなきゃっ!



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