続・狼彼氏×天然彼女
「…キスしても、いいよ」
誰が言ったのかと思った。
目の前の実紅が言ったって分かってんのに。
「してあげるから、目瞑ってよ」
「……上から目線かよ」
「なっ…し、してあげるって、言ってるじゃんよ…っ」
照れたように笑う実紅が、いつもより子供っぽく俺の目に映った。
そして実紅の言うとおりに目を瞑った。
まぶたの向こう側では、実紅が深呼吸してるのが見えた。
……てか、こいつ…マジでキスすれば気持ち悪くなくなるって思ってんのか?
それとも、わざと知らないふりしてキスしたいだけとか?
これはありえねぇか。
すると唇に感じた
柔らかい感触。
目を開けてみんと、実紅は茹でタコのように顔を真っ赤にしてた。
必死すぎだろ。
笑いそうになったため、再び目を閉じてキスされてる感触だけを感じていた。
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