続・狼彼氏×天然彼女





「…キスしても、いいよ」



誰が言ったのかと思った。


目の前の実紅が言ったって分かってんのに。



「してあげるから、目瞑ってよ」


「……上から目線かよ」


「なっ…し、してあげるって、言ってるじゃんよ…っ」




照れたように笑う実紅が、いつもより子供っぽく俺の目に映った。



そして実紅の言うとおりに目を瞑った。



まぶたの向こう側では、実紅が深呼吸してるのが見えた。



……てか、こいつ…マジでキスすれば気持ち悪くなくなるって思ってんのか?



それとも、わざと知らないふりしてキスしたいだけとか?


これはありえねぇか。





すると唇に感じた

柔らかい感触。



目を開けてみんと、実紅は茹でタコのように顔を真っ赤にしてた。



必死すぎだろ。



笑いそうになったため、再び目を閉じてキスされてる感触だけを感じていた。





.
< 215 / 466 >

この作品をシェア

pagetop