続・狼彼氏×天然彼女







俺から視線を逸らして横の方を見ながら歩き始めた。



横を急に向くから、どんな表情をしてるか分からないけど



微妙に見えた。



涙目になってるのが。



でも次に出した実紅の言葉は、意外なものだった。



「や、やっぱ……いいや」



は?何だよそれ。

やっぱいいやって…。

言えないってこと?



実紅はそれだけ言ってサッと島田の隣に移った。



「あれれ?実紅どうしたの?」


「さあ、よく分かんねぇ」


「はっはーん…。
実紅とケンカしたな?」



痛いところを突かれて胸が少し痛んだ気がした。



でもケンカしたわけじゃない。

怒鳴り合ったわけでもない。

すれ違ってるわけでもない。




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