続・狼彼氏×天然彼女
「家に姉貴1人になった日から、お手伝いの態度は一変した」
「一変…?」
「その頃ヤンキーだった姉貴は、めちゃくちゃ荒れてて、お手伝いも困ってる雰囲気だった」
これから聞くことが、本当にあたしが聞いていいのか
そんな事は、あたしは何も考えなかった。
ただ悲しみを分かってあげたくて
ただ苦しみを分かってあげたくて
ただ一緒に分かってあげたくて
それだけだった。
「…だから、荒れてる姉貴を懲らしめようと、お手伝いは全員で姉貴に暴力を振るった」
……だから聞いたあとに
あたしは、聞いちゃいけなかったのかもしれないと思った。
聞いたら、もう聞かなかったことには出来ない。
そんな簡単なことも、あたしは考える事が出来ずに
ただ静かに涙を流すだけだった。
「その暴力の所為で、姉貴の頭の血管がヤバいことになって、今じゃ左目見えねぇんだ」
修夜も涙を流すだけだった。
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