続・狼彼氏×天然彼女






"なにが?"とでも言うように
コーラをゴクっと飲んで俺と目を合わせない洸太。



「修夜から何か言われてるだろ」


「は?言われてねぇよ」


「矛盾してんだよ。さっきから言ってることが」



修夜は実紅に手を出さねぇて言った。
友達の女を取るわけねぇって言った。


でも何で実紅を修夜んちに行かせたと言った。
何で必死に止めなかったと言った。



「どっちの味方してんだよ」



目を合わせようとしない洸太は
明らかに何か隠してるように見えた。



「味方?どういうことだよ」


「何でそんなに実紅を行かせた事に突っかかんだっつってんだよ」



少し荒っぽくなった俺の口調で俺が怒ってる事に気付いたのか


俺と目を合わせるようになった。



そして、呟いた。



「好きなんだってよ。入学式ん時から、ずっとずっと」



…気付いてたのに
気付いてないフリをしてた。

友達だから
喧嘩したくなかった。

信じてるから
気付きたくなかった。

今の幸せを離したくなかったから
真実を知りたくなかった。



修夜が………



…………実紅を好きなんて。



.
< 378 / 466 >

この作品をシェア

pagetop