続・狼彼氏×天然彼女
ひたすら走った。
アイツの家に向かって。
実紅を迎えに。
「…っくそ…」
頭から離れねぇ。
洸太が最後に言った言葉が。
『修夜のやつ、たぶん今日実紅に告白すると思うぞ』
聞いてねぇよ、んなこと。
何も聞いてねぇよ。
告白するなんて
ずっと好きだったなんて
俺よりも先に
実紅を好きだったなんて
気付いてたのに、気付いてないフリをしてた。
実紅を取られたくなくて。
実紅を離したくなくて。
実紅を独り占めしてたくて。
俺は卑怯で、弱くて、友達思いっていいながら、真から信じ切れてなかった。
走って走って、やっと辿り着いた修夜の家の前には
何かを見つめてる実紅がポツンと一人で立っていた。
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