続・狼彼氏×天然彼女
嘘付いてんのは分かっていた。
誤魔化してんのも分かっていた。
無理してんのも分かっていた。
けど、それ以上に俺は問い詰めることが出来なかった。
「夕飯は、どうすんの?」
いつもみたいな問い掛けしか出来ねぇ。
「舜の部屋に行って、いつも通り作るつもりだけど…」
それに、無理しながら普通に答える実紅を見て
胸が苦しくなった。
「今日、どっか食べに行かね?」
「…いいけど、急に何で?」
「なんとなく」
違う、なんとなくじゃない。
理由が無いわけじゃない。
今日は外食したかった。
ちゃんと、面と向かって話がしたかった。
俺の部屋じゃ、本能に負けてしまうから。
何かあったら、すぐに押し倒してしまいそうだから。
「なにそれっ」
無理して笑う実紅を見ながら話してると
自分がどうにも出来なくて悔しくてたまらないから。
部屋だと、きっと自分をコントロール出来なくなる。
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