続・狼彼氏×天然彼女





メニューに目を通して、適当にハンバーグを頼んだ。



長い時間悩んだあげく、実紅はエビグラタンを頼んだ。



その2つが来るまでには、そう長くはかからなかった。



「美味しい」



本当に美味しそうに食べる実紅を見てると、つい笑ってしまった。



そんな俺を見て、実紅は頬を膨らませて『何よー』と呟いた。



「別に?」


「別にじゃないでしょ!絶対何かあるでしょ?なになに?!」


「だから、別に何でもねぇって」



やっと諦めたのか、


実紅はエビグラタンに視線を戻して再び食べ始めた。



フーフーと冷まして
それから、口に入れる。


そんな極普通の仕草が、実紅によって違うように見える。



本当に美味しそうに食べて


本当に嬉しそうに食べて


こいつとご飯を食べてるのと食べてないのとだと、ご飯の味がまったく違う。



「…うまい」



実紅と食べてるから。


いつも美味しく思わないはずの飯を美味しいと思える。



.
< 383 / 466 >

この作品をシェア

pagetop