続・狼彼氏×天然彼女
27・最後の選択
◇◆◇◆実紅◇◆◇◆
ファミレスを後にし
涙が止まらないあたしの横で何も言わずに付いてきてくれる舜に
胸の奥がキュンとした。
あたしが修夜の告白を断りきれなかった事を話したとき
正直怒鳴るかと思った。
ううん、違う。
怒鳴ってほしかった。
ちゃんと断れよって
俺の女だろって
何で断んねんだよって
怒ってほしかった。
そしたら安心出来る気がした。
だって断ってないあたしが悪いのに。
彼氏がいるあたしが断ってないのがいけないのに。
あの哀しそうな舜の顔が、頭から離れない。
「…泣くなよ、泣きべそ」
その意地悪な口調さえも、今では優しく聞こえてしまう。
「体中の水分無くなんぞ」
「…ばか…っ」
ほらね、やっぱり。
あたしがばかって言っても
優しく頭を撫でるじゃない。
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