続・狼彼氏×天然彼女
季節が変わるのはこんなにも早いのかと感じたのは高校に入ってからだろうか。
「あのー…」
高校生活最後の冬の放課後には、不機嫌な彼に無理矢理手を引かれ廊下を歩かされている。
吐く息は白く、制服の袖から出た手はほんのり赤くなっている。
舜の早歩きに着いてくのは一苦労で、あたしだけ少し走らなきゃ追い付かない時もあった。
「あのー…」
歩くだけの舜に話掛けても
もちろん答えてくれることはない。
あたしは、このまま舜の部屋に押し入れられて襲われるのだろうか
行く先が分からないあたしには
何をどう準備して、構えてればいいのか考えられなかった。
「あ「黙ってろ」
三回目の“あのー”を言おうとした時、舜に遮られて黙らせられた。
一体あたしは何処に連れて行かれるんだろう。
そしてついには学校外に出た舜とあたし。
出た時までは何処に行くのかなんて、まったく察しがつかなかった。
………でも、外を歩いてるうちにあたしは何処に向かっているのか分かった。
「着いた」
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