続・狼彼氏×天然彼女



抱き締められている時間は長くは無かったからそんなに舜の匂いも移らなかった。



あたしはいつも舜に抱き締められると匂いが写って
でもその匂いが落ち着けて好きだったからあたしは匂いが移るのが癖になってた。



なのに今日は移らず少し寂しい気もしたけど抱き締められただけで嬉しくて


いつもなら顔が真っ赤になって恥ずかしくて舜にからかわれて終わるのに。


今日は些細なことで嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。



だから舜が引っ越す前日から、あたしのテンションはおかしいほどに高かった。



みんなで遊園地に着いて最初からジェットコースターを乗り続けてかなり飛ばした。



テンション高くしとかないと
元気になんないと
みんなに笑顔見せないと



心配させちゃ駄目だと思ったし舜には最後にはあたしの笑顔を残してあげたいのもあって



無理して笑ってることに気が付かなかった。



「じゃあ明日!」

「明日って何時に駅に待ち合わせだっけ?」



遊園地での時間もあっという間に過ぎて寮に帰宅し明日の集合時間を打ち合わせていた。



……そっか。

明日舜は引っ越すんだ。

もう、会えなくなっちゃうんだ。



そんな思いが頭をよぎり、ただただみんなの話を聞いていた。



.
< 442 / 466 >

この作品をシェア

pagetop