続・狼彼氏×天然彼女



運良くブーケトスでブーケを取れたのは晴菜で、周りの女子達は言葉にならない声を上げた。



「あれのどこがそんなにいいんだよ」



あたしの隣で静かにそう呟いたのはお色直しで白いタキシードを着てる舜だった。


白いタキシードを着てると、まるで本当にどっかの王子のよう。



「おい、聞いてんの?」


「き、聞いてるよ。―…女の子の憧れなんだよ、ブーケとるの」


「ふーん」



せっかく質問に答えてあげたのに得意な興味なさそうな一言返し。


もう、慣れた。



「女の考えって分かんねぇ」


「…え?」


「ブーケとったとこで何なんだよって感じ」



確かに女には女特有の考えがあるのかもしれない。



占いは信じないとか言いつつ信じちゃうし、おまじないもやんないって言いながらやるし。


恋愛成就とか聞くと、お寺や観光名所にすぐに行きたくなる。



「男には一生分かんないのかも」


「ふーん、一生ね」


「うん。たぶん女にしかない本能なんだと思う」



だとしたら、


女にしか分からない本能があるんだとしたら
男にしか分からない本能もあるってことになる。



男にしか分からないことって例えばどんなことだろう。



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