大切な人だから
彼の名前は益山優樹
通称"益"
益と呼ぶのは、あたしだけ
益とあたしは、中1の頃
毎日のように喧嘩してた
はじめての喧嘩は
本当にくだらなかった
「明花ーっ、お前さ
そろそろ痩せれば?」
ただ、この言葉にあたしが
マジ切れしただけだった
この日から1週間くらい
あたしは、益と
口を利かなかった
2度目の喧嘩は
夏休みに益が1回も
あたしに会いに来て
くれなかったことが原因
仲直りしたのは夏休みあけ
あたしは、益を許す気は
無くて別れる覚悟でいた
だけど、下校中に
口を利かないあたしに
益がキスをしてくれた
それが嬉しくて
あたしはあっさり益を
許してしまった