僕の中にキミがいた。(仮)
――懐かしい記憶。
俺がまだ7歳の時だった。
だけどなんでだ…
一緒にいる女の子の名前が思い出せない。
誰だっけ…
すごく大切な人だったはずだ。
こんなに昔から一緒にいるんだし。
だけどなぜか…
名前だけは思い出せなかった。
――ピピピッピピピッ
「ん~…あぁ、もう朝かよぉ…」
七時になるいつも通りの目覚まし時計。
まだ眠いのになぁ…
相変わらず、俺もいつになったら朝になれるんだか…
「ゆうちゃーん!ご飯できてるわよー!」
「あーい」
階段を下りて一階に行くと、
毎朝リビングからする味噌汁と焼き魚のにおい。
「たまにはパンにしてくれよー…」
「ん?なにか言ったー?ゆうちゃん」
「い、いえ!?なにもっ」
なんでぼそっと言ったのに聞こえるんだ…
母さん地獄耳すぎるだろ。
俺の母さんは大の和食好き。
洋食を朝に食べるのは絶対ダメって言われる。
(なんでかよくわからないけど)
「今日はサバの塩焼きよ~♪」
「魚はなんでも同じだよ、もう…」
あんまり食べ過ぎて魚嫌いになってきた…