はつこい・いちご【短編】
「今日、タワレコ寄ってかない?」
「あたしパス、今日この後ライヴ行くもん」
「マジ? うっらやましー」
教室のカギを、リーダーが閉めてから、
私たちは下駄箱に向かった。
さすがに夏休み中だけあって、廊下や教室にいる人の数が少ない。
ミーン、ミーンと鳴くセミの声が少し響いたかと思うと、
すぐにピタリと止んだ。
ゴロゴロ……。
遠くで、低く雷鳴がとどろく。
「どうしよう、私傘もってきてない」
ちょっと前まで晴れてたし、
天気予報でも雨は降らないと言っていた。
だから、リーダーが言ったことも正直、
信じていなくて、
やった、早く帰れるラッキー、
くらいにしか思っていなかった。
ヤバい。
これは、多分マジでくる。
ってゆーか、降る。
ドシャーっと。
「穂純、天気予報確認してないの?」
エリが私の顔を覗き込む。
「したよ。朝テレビ見たけど、
雨降るなんて言ってなかったし」
ため息をつきながら愚痴ると、
「ケータイでは10時ごろから、
にわか雨が降るかもって書いてあったよ…」
レイがさっぱりと言った。
「マジで!?」
私はビックリして、レイとエリと交互に顔を見やる。
二人とも、何か驚いてるというか、
ちょっとバカにしたような表情をしている。
「穂純ってさ、ひょっとして
ケータイの天気予報までは見ない方?」
流れる髪をかき上げながら言うのはレイだ。
「ウン…だって、メンドくさいんだもん」
「あたしパス、今日この後ライヴ行くもん」
「マジ? うっらやましー」
教室のカギを、リーダーが閉めてから、
私たちは下駄箱に向かった。
さすがに夏休み中だけあって、廊下や教室にいる人の数が少ない。
ミーン、ミーンと鳴くセミの声が少し響いたかと思うと、
すぐにピタリと止んだ。
ゴロゴロ……。
遠くで、低く雷鳴がとどろく。
「どうしよう、私傘もってきてない」
ちょっと前まで晴れてたし、
天気予報でも雨は降らないと言っていた。
だから、リーダーが言ったことも正直、
信じていなくて、
やった、早く帰れるラッキー、
くらいにしか思っていなかった。
ヤバい。
これは、多分マジでくる。
ってゆーか、降る。
ドシャーっと。
「穂純、天気予報確認してないの?」
エリが私の顔を覗き込む。
「したよ。朝テレビ見たけど、
雨降るなんて言ってなかったし」
ため息をつきながら愚痴ると、
「ケータイでは10時ごろから、
にわか雨が降るかもって書いてあったよ…」
レイがさっぱりと言った。
「マジで!?」
私はビックリして、レイとエリと交互に顔を見やる。
二人とも、何か驚いてるというか、
ちょっとバカにしたような表情をしている。
「穂純ってさ、ひょっとして
ケータイの天気予報までは見ない方?」
流れる髪をかき上げながら言うのはレイだ。
「ウン…だって、メンドくさいんだもん」