はつこい・いちご【短編】
3.ボール
「穂純…ごめん、あたし」
エリが今まで見たこともないような、
とても悲しそうな表情で、私に謝ってくる。
…別に、エリは悪くなんかない。
本当のこと。
だからそう言おうと思ったのに、
なかなか口が開かない。
おかしいな。
しゃべれない。
「穂純?
………」
エリがギュッと私を抱きしめる。
何故か顔の周りに腕が巻き付く形になって、
私が顔を動かそうとすると、エリの腕がさらに巻き付いてくることに気付いた。
そんなことを繰り返していると、
エリの制服が濡れていることにも気づく。
…ああ、泣いてるんだ、私。
そんなことには、全然気が付かなかった…。
エリが今まで見たこともないような、
とても悲しそうな表情で、私に謝ってくる。
…別に、エリは悪くなんかない。
本当のこと。
だからそう言おうと思ったのに、
なかなか口が開かない。
おかしいな。
しゃべれない。
「穂純?
………」
エリがギュッと私を抱きしめる。
何故か顔の周りに腕が巻き付く形になって、
私が顔を動かそうとすると、エリの腕がさらに巻き付いてくることに気付いた。
そんなことを繰り返していると、
エリの制服が濡れていることにも気づく。
…ああ、泣いてるんだ、私。
そんなことには、全然気が付かなかった…。