雪解け水
今思えばその頃からアタシの感覚はおかしくなっていたのかもしれない。






その日はクラスメイトがいつも授業参観にアタシの親がいないことをバカにした。



子供には良くあることだ。
自分とちょっとでも違うと、すぐバカにしたがる。


それも素直な証拠なのかもしれない。

大人はどんなそう思っても笑顔を貼り付けて口にはしないから。

そっちの方が何倍もいやらしい。




その頃まだ"子供"寄りだったアタシは、バカにされた為言い争いをした。



相手は男の子だった。


顔も名前も、なんて言ってバカにされたのかも覚えていないけれど、一つだけ覚えていることがある。






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