甘くないコーヒー
気まずい空気が流れた。
明日見は、黙々と食事をしている。


「光ちゃん。」

「ん?」

「私が、あまり自分の事を話さないのは、私がキタナイ人間だからだよ。」

真っ直ぐにオレを見つめながら言った。オレは何も言わなかった。いや、言えなかった。

「俗にいう私生児ってヤツ。私は、いらない子供だったの。快楽に溺れたら、私が出来ちゃって棄てたの。」


明日見は、悲しみというより怒りを瞳に秘めていた。


「産まれてこなきゃ良かったって、毎日考えてる。だって、どんなにキレイに洗っても私は、キタナイままなんだもん。」

明日見は、膝を抱えて顔を伏せた。


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