甘くないコーヒー
「光ちゃんまでキタナクなったら、私困るもん。」

明日見は、一筋の涙を溢した。

「オレは大丈夫だから。キタナクならないし、突然いなくならないから。」

懇願に近かった。

切望に近かった。


明日見がポツリポツリと話し始めた。

「学生時代は、ずっとイジメられてたの。授業参観には、おばあちゃんが来てくれたけど、イジワルされたから、おばあちゃん来なくなった。

お弁当もなんだか、可愛くなくてイジワルされたし。皆にキタナイとかバイ菌とか言われてた。
だから、私に関わる人は皆、バイ菌に感染するんだよ。光ちゃんが感染したら困るでしょ。」


明日見が、小学生位の少女に見えた。ただ無言で唇を噛みしめてイジメに耐えている少女に見えた。

少女時代の明日見に言ってあげたい。
君は美しい女性に成長したんだと。

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