甘くないコーヒー
オレは、何も言えなかった。 その通りかもしれない。


でも、勤めていた頃のような、薄っぺらい人間関係はイヤだった。


明日見に、出会ってからオレは、変わった気がする。

大きな声で笑ったし、欲望もなく愛しく思えたし、本気で心配もした。他人に興味を持たなかったオレが、初めて他人の事を自分の事のように考えた相手が明日見だった。

その事を伝えると

「それで、光ちゃんは幸せなの? もしかしたら、私と一緒に地獄へ堕ちちゃうかもよ。」


それでも構わないとオレは、言い放った。
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