甘くないコーヒー
オレは、手紙に目を通した。

“私は元気です。
明日見は、元気にしていますか?”

とこれだけ書いてあった。

手紙を明日見に渡すと、紙に穴が空きそうなほど見つめていた。

次に封筒に目を移した。
隣県の消印が押されていた。

2通目を開けてみる。

“今日は、明日見の3回目の誕生日ですね。 渡してあげて下さい。”

封筒の中を見てみると、空の絵はがきが入っていた。


明日見は、訳が分からないという表情をしていた。

自分を棄てたと思っていた母親が、自分の誕生日を覚えていて、自分の好きな空の絵はがきを送ってきていたのだ。


「光ちゃん。この人にとって、私ってどんな存在だったのかなぁ?」

「少なくとも、明日見の事を気にしていたって事じゃないかな。」

「なんで、おばあちゃんは封を開けなかったんだろう?」

それは、オレにも分からなかった。

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