甘くないコーヒー
スーパーマーケットのフードコートで食事をした。


もっと気の利いた店が良かったのではないか…とも思ったが、明日見が美味しそうに、カレーライスを食べる姿を見て、何だか嬉しくなった。


明日見は、少女と女性の両方を併せ持つ、不思議な魅力を持っていた。


そんな事を考えていたら

「なぁに?私の事、ジロジロ見て。」


オレを上目遣いで見た。

「イヤ、旨そうに食べるなぁと思ってさ。」


「美味しそうに食べなさいって、おばあちゃんに言われたからさ。」


「おばあちゃんと暮らしてるのか?」

「独りだよ。おばあちゃん、一昨年に居なくなっちゃったから…」


いつも、元気そうな明日見が、うつむいて今にも泣き出しそうな表情をした。


オレは、本当にバカだなと、冷水を一気に飲み干した。

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