夏の日の終わりに
 事故現場を後にすると再び車を走らせる。

 再びカセットの曲に合わせて熱唱する僕らは、暗くなった気分もすぐに吹き飛ばしてしまった。

 山道を抜け、街並みを見下ろして僕らは今を満喫した。

 僕らが手に入れたのは自由という幸福。これからは誰の手も借りずに二人でどこにでも出掛けられる。



 魔法の空飛ぶ絨毯はこの赤い車。それは僕らを夢中にさせた。
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