夏の日の終わりに
 やがて闇夜が空からやわらぐ頃、頂上の駐車場に車を停めて興奮を冷ましていた。

 昨夜の走り方のひとつひとつを思い出しながら、自分の走りを分析する。そして次に走るときにはさらに速くなる。

 バイクに乗ってた時から、それは連綿と繰り返されてきた。そしてそれを考えてる時、僕の頭に他の事柄は全く浮かんでこない。


 進級も、祖父のことも、そして理子のことも。


 久しぶりに自分に戻った気がして、僕はその開放感に酔いしれながらシートを倒す。そして今日が月曜日だという事も忘れて眠りについた。
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