夏の日の終わりに

あとがき

この物語を読んでくださった全ての人々に感謝します。

でも、訴えたいテーマとかあるわけじゃなく、薄れてゆく僕の記憶を残して置きたかったのと、ただ一人の少女がどんなに苦しくても辛くても生を貫こうとした姿を僕は知って欲しかっただけです。

この物語を書きながらひとつ気づいたことがあります。それは作品を綴ってゆく中で、僕自身の気持ちの整理がついたことです。

僕はこの話を誰にも話すことなく人生を送ってきました。恐らく全貌を知っているのは僕以外ではおばちゃんと美香だけでしょう。

なぜ話さなかったかと言うと、そんなもの話しても不幸自慢のようにとられてしまうのが嫌だったのと、悲しくても僕にとっては宝石のような理子の話をそう簡単に話すわけにはいかないという想い、そして話せばきっと泣いてしまうだろうという心配があったからです。

僕の人生がそのまま何事も無ければ、この物語は誰にも語られることなく僕の記憶だけにしまわれてしまったことでしょう。その話はこれからの僕の作品を読んでいただくとしてここでは割愛いたしますが、ただ、自分の強い想いを文章にするということが、イコール自分にとっても心の傷を癒すのだということを知ってもらいたいと思います。

それから表紙冒頭に書いてある「ノンフィクションでもどうでもいい」という言葉は、それが真実であると読者に言わなければならないことか?ということです。
僕は理子という女の子はこんな一面があったのだと、こんなに闘っていたのだと、当時彼女に関わりがあった方がもしかしたら知ってくれるかもという想いでノンフィクションを謳いました。
そこを僕は他の作者さんに分かって欲しいと思います。

この話は決して美談ではありませんが、そこに何か感じていただければそれに勝る幸せはありません。


悲しみは薄れるものではありません。ただ慣れるだけです。


それを胸に留めて、いま大事に想っている人を精一杯愛してあげてください。




貞次シュウ
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