夏の日の終わりに
「お前さ、悩みとかないだろ?」
いつものように嬉しそうにリハビリの手伝いをする理子にそう言った。
「うん!」
即答だ。理子はいつも明るい。そんな姿を見て羨ましいと思う反面「悩みくらい持ったら?」と、少し上から見てしまう僕がいる。
僕には悩みが多い。
学校は留年が決定している。いまだ答えは出していないが、このまま学校を辞めてしまおうと漠然と考えている。その後の人生設計を思うと胸に黒いもやが立ち込めるようだ。
それよりも問題なのは、バイクへの恐怖心を克服できるかということだった。
こちらはもっと深刻だと思っている。
僕の思い描いている未来はバイクのレーサーになってプロになることだ。これは夢ではなく、れっきとした人生設計として予定に組み込まれている。
この恐怖はその将来の夢に大きな影を落とすことになるかもしれない。
高校生の甘い夢だと大人は笑うだろう。しかしそれでも思わなければ実現することなどないと僕は思っていた。
そんな僕の悩みは時折会話をとぎらせてしまう。
「考え事?」
そう言って聞いてくる理子が、やはり少し羨ましかった。
いつものように嬉しそうにリハビリの手伝いをする理子にそう言った。
「うん!」
即答だ。理子はいつも明るい。そんな姿を見て羨ましいと思う反面「悩みくらい持ったら?」と、少し上から見てしまう僕がいる。
僕には悩みが多い。
学校は留年が決定している。いまだ答えは出していないが、このまま学校を辞めてしまおうと漠然と考えている。その後の人生設計を思うと胸に黒いもやが立ち込めるようだ。
それよりも問題なのは、バイクへの恐怖心を克服できるかということだった。
こちらはもっと深刻だと思っている。
僕の思い描いている未来はバイクのレーサーになってプロになることだ。これは夢ではなく、れっきとした人生設計として予定に組み込まれている。
この恐怖はその将来の夢に大きな影を落とすことになるかもしれない。
高校生の甘い夢だと大人は笑うだろう。しかしそれでも思わなければ実現することなどないと僕は思っていた。
そんな僕の悩みは時折会話をとぎらせてしまう。
「考え事?」
そう言って聞いてくる理子が、やはり少し羨ましかった。