君の音
「うちは絶対に帰りませんっ!失礼しますっ!」

キッと当たった人を睨み、ずかずかとその場を去った。

「全く・・・土方様に会えたと思えば変な人に厄介に扱われるなんて・・・もう最悪っ!」

「煩い方ですねぇ・・・いきなりはぐれないでくださいよ」

そう言われ、前を見ると沖田さんが居た。なんだか黒いオーラが後ろに見えるんだけどうちの気のせいかな?かな?

「何一人でブツブツ言ってるんですか・・・頭でも可笑しくなりましたか?・・・ああ、最初っから可笑しかったですね」

沖田さんはくすくすと笑いながら先へと進んで行った。

私は怒りを堪えながら沖田さんについて行く。・・・今、追い出されるのは嫌すぎる。

はぁ、と溜息をつくと沖田さんがぴたりとある一室の前で止まった。どうやら、ここらしい。

「此処が貴方の部屋です。ちなみに僕の隣ですからね?」

それは怪しい行動をしたら斬るっ!と言う事を示しているかのようだった。

って言うか示してるんじゃね?

「暫くこの部屋で居て下さい。一歩でも外に出たら斬りますから」

うちは頷いて部屋の中に入った。やっぱり必要最低限の物・・・さえも揃っていない。

「くぁーっ・・・土方様に会えないのは辛いっ・・・」

うちは、はぁっと溜息をついて部屋の中で大の字に寝転んだ。

そして携帯を取り出してかちかちとデータフォルダを漁っていく。

グラフィックフォルダの半分以上を土方様が占めているのは内緒だ。
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