月華の鬼姫
「…………。」
「どうかした?殺すんじゃないの?」
私が言った言葉に
どれ程驚いたのか…
黒髪は私を見たまま固まっている
しばらくして
目の前あった刀が引かれた
「…壬生浪士組副長、土方歳三だ。」
「……!!」
刀を引いた黒髪は
私の目を見て名を告げた。
「…なんで?」
「ハッ、気付いたんだよ。
俺や総司がさっきから
名前や姓を言ってんだし
別に隠してもも意味ねぇってな。」
黒髪…否、土方はニヤリと笑い
もとの位置に座った。