月華の鬼姫
僕と土方さんは
自然に足を止めていた。
「………。」
そこに居たのは…
桜の根本に横たわっている
少年…否、少女。
僕は生死を確認するため
その子に近付いた。
「ハァ…ハァ…」
小さいけど…息はある。
でも、肩が紅く染まっていた。
浪士にでも襲われたんだろうね
「生きてるみたいだけど…
どうします?面倒ですし
殺しちゃいます?」
「…いや、屯所に連れていく。」
土方さんは少し考えてから
桜を見上げて言った。
はいはい、
この子は僕が連れてけってね
やっぱり面倒なんだ…土方さん