酒店童子。
「う〜ん…何も無いなぁ…」

──…え?

「…あん?」

そいつは、──Tシャツに短パン姿で、ボサボサの頭をしたそいつは、不意に私をふり向いたのだ。


──め…目が合っちゃった…


「いっ…いや〜〜〜っ!!」

「えっ…あっ…あの…いやその…」

そいつはすっごい慌てて、私に近寄ってきた。私も後退りする。しかし足が動かず、ドシンと尻餅をついてその場に座りこんでしまった。

それを見たそいつは、私にニコリと笑いかけると、

「姉ちゃん、心配すな。わしは姉ちゃんの事、よ〜く知っとるけん。」

と訳の分からない訛りで話しかけてきた。そして、私の前にしゃがみこんで、

「そや。自己紹介せなな。わし、ここに住んどる座敷童子じゃ。」

と言い放ったのだ!

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