酒店童子。
「あっ、あぁ、そうなんだ!」

全く理解出来なかったが、とりあえず相槌は打っておいた。

「んでな、わしらは座敷童子として日本中に散らばったんや。

わしらは海を越せへんのや。昔からバリアみたいなんがあってな。

せやさけ、最近までわしら、四国やら九州やらには行かれへんかってん。

わしなんか最近まで関西から出られへんかったんや。

…せやけどな、最近何か妙なんや。」

そこまで一気に言いきると、そいつは急に暗い顔をして、ため息を一つ吐き出した。

「…どうしたの?」

私は顔色を伺いつつ、尋ねた。
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