ふわふわ飛びながら、俯き気味の目をうるうるさせたその物体は……


「この子、竜か何か?」

「だろ」

「あたしが呼んだから来たの?」

「お前に近づきたがってるんだし、そうだろ」


あたしみんなみたいに、火とか水とかじゃなくて、竜を出すの?
こんなちっこいやつ……
可愛いけど…。


「ガゥ………」

「ずっとガゥガゥ言ってるぞ」

「可哀相なことしちゃったかな…」


どうしよう、と迷っていると、ゆっくりゆっくりあたしに近づいてきた。
……やっぱ怖い…!
あたしの目の前までくると、うるうるさせた目であたしを見上げる。
か、可愛い…


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