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「その様子だと、知らないのね」
「忘れっぽいので…」
「なんでもいいわ」
フッと鼻で笑って、その人は手の平を上に向けて、力を入れた。
すると手の上に、ボッと火が宙に浮く。
「あなたは私に殺されてくれればね」
口の端を軽く上げて微笑む、この目の前の人は、余裕にみちあふれていた。
この人がやる芸に見とれていたのに…死ぬのは嫌だ。
手の平の火を、人差し指でクルクルと、掻き混ぜるようにすると、小さな火が少し大きめの竜巻になった。
「嫌ー!死にたくない!」
あたしは必死に逃げる。
砂だから走りにくいー!
ついにあたしはコケてしまった。
もう終わりだ…!!
あたし死んじゃうんだ…