君を傷つけたのが僕だとしても・・・
「雅美さん、ごちそうさまでした。」


俺は空になった弁当箱を
雅美さんに渡した。


「はい、お粗末さまです。」


雅美さんはニコッと微笑み
受け取った。



「じゃあ、俺一度帰ります。」


「うん、しっかり寝なさい。
また夕方ね。」


「はい。」


俺は伊織の顔を見て、

『また後でな・・・』

そう心の中で呟いて、
病室を後にした。





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