君を傷つけたのが僕だとしても・・・
伊織の病室へ入れなくなって
数日が経った。


俺は毎日病院に通っている、
ただし病室ではなく病院の外、
ちょっとした庭があって、
そこから伊織の病室が見える、
俺はいつもそこで伊織を持っていた。


そしてベンチに座り、
毎日ギターを鳴らした。


そうしてないと心が落ち着かなかった。



伊織への想いを・・・

その日、その日想うことを・・・

ギターの音色に合わせて歌った。


でも浮んでくる言葉は
驚くほど単純で、毎日同じ。


『逢いたい』

『そばにいる』

『愛してる』


そんな言葉しか浮んでこない。


けどこれが、今の俺の、
伊織への素直な気持ちなんだ。



< 253 / 293 >

この作品をシェア

pagetop