君を傷つけたのが僕だとしても・・・
次の瞬間、伊織は悠次に抱きついた。


「えっ!?」


伊織は悠次の胸に顔を埋めた。


「伊織・・・?」


「悠次・・・
ありがとう・・・」


「えっ!?」


「ずっとそばにいてくれて
ありがとう・・・」


「伊織・・・」


「私、頑張って治療するね。
癌なんかに負けへん・・・」


悠次の体にまわした腕・・・
伊織は更にギュッと力を入れた。


「うん・・・」


悠次はやさしく伊織の頭を撫でた。



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