lacrimosa
『…じゃあもし、急に2人に会えなくなったらどうするの?
サーシャは後悔しない?』
(…会えなくなるって、)
そう問いかけるアンジェロの眼差しはこちらに向けられていて、いつにも増して真剣だった。
その咎めるような、見たこともない鋭い視線が怖くて…
(…パパとママが死んだりしたら、ってこと?)
「そんなの、有り得ないもん」
『どうして?命なんて儚いよ?いつ失くなるかわからない…』
サーシャから視線をずらして、また遠く虚空を見つめるアンジェロ。
『そしてそれに気づいた時には、もう二度と、何も伝えられないんだ…』
酷く、悲哀に満ちた顔。
アンジェロが泣き出すんじゃないかと、サーシャは心配になったくらいだ。
(…………、)
『でも、僕がここに来るのはそれだけじゃないけどね。
ほら、サーシャといると楽しいから、』
今度は悲しい顔を隠すように、照れ笑いをみせる。
サーシャはそれでも、アンジェロの体が心配だった。
アンジェロが自分を好いてくれて、こうして会いに来てくれる。
それは凄く嬉しかった。けれど、それをどうやって彼に伝えたらいいのか、わからない。
彼のことが心配なこともやはり、どうやって伝えたらいいかわからないのだ。