lacrimosa
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アンジェロが来ない。
3日、5日、7日、
日数が重なっていくだけでアンジェロは一向に訪れない。
あの日以来。
(…はぁ、)
クリスマスが近いということで、イベントだのなんだのと、幸いにもサーシャは仕事が忙しかった。
そのお陰で束の間はアンジェロの不在を忘れられたものの、やはりどこに居ても彼のことを考えてしまう。
(…謝りたい)
ごめんなさいが、言いたい。
あの時のアンジェロの悲しそうな笑顔が忘れられない。
(…まるで私を見捨てたみたいだった、)
意地だけを突っぱねて残ったのは、後悔だけだった。
アンジェロに会いたい。もう一度会いたい。
居なくなってしまってより一層、彼が自分にたいしてどれだけ寛大で優しかったのかを実感する。
我が儘で自分勝手な女の子を相手に、さぞや大変だっただろうと。
(…戻ってきてよ、アンジェロ)