縁隔操作(えんかくそうさ)
「あの。どうかしたんスか?」
「はい……道ですれ違う人たちにじろじろ見られていたような気がして」
その日のユリアは足首まで届く長いワンピース、膝近くまであるロングブーツ、両手には毛糸のピンクの手袋という服装だった。まあロボットだから寒さは感じないだろうが、薄着過ぎるな。しかし問題はやはり顔がむき出しになっている事だろう。横をすれ違えば人間じゃない事は一目瞭然だしな。
どうしたものか、と思いながらバスの時刻表を見て、俺は失敗に気づいた。
「いけね。今日はもう四日だから平日ダイヤに戻ってたのか」
次の筑波山行きの直行バスまで三十分近い時間があった。それにもうすぐ昼飯時だ。向こうへ着いてから何か食おうと思っていたが、バスに乗る前に飯済ませといた方がよさそうだ。それにユリアの顔を隠せるような何かが……
俺はあたりをぐるりと見まわし、すぐそばのショッピングビルが開いているのに気がついた。そうだな、あそこなら。俺はユリアの方を向いて言った。
「ユリアさん。俺ちょっと、あそこで飯食っていいスか?バスの時間間違えちまって、あと三十分ぐらい待たなきゃいけないんですよ。それに何かユリアさんの顔を隠せるようなもんを探してみましょうよ」
「あ、はい。わたしはかまいませんが」
「はい……道ですれ違う人たちにじろじろ見られていたような気がして」
その日のユリアは足首まで届く長いワンピース、膝近くまであるロングブーツ、両手には毛糸のピンクの手袋という服装だった。まあロボットだから寒さは感じないだろうが、薄着過ぎるな。しかし問題はやはり顔がむき出しになっている事だろう。横をすれ違えば人間じゃない事は一目瞭然だしな。
どうしたものか、と思いながらバスの時刻表を見て、俺は失敗に気づいた。
「いけね。今日はもう四日だから平日ダイヤに戻ってたのか」
次の筑波山行きの直行バスまで三十分近い時間があった。それにもうすぐ昼飯時だ。向こうへ着いてから何か食おうと思っていたが、バスに乗る前に飯済ませといた方がよさそうだ。それにユリアの顔を隠せるような何かが……
俺はあたりをぐるりと見まわし、すぐそばのショッピングビルが開いているのに気がついた。そうだな、あそこなら。俺はユリアの方を向いて言った。
「ユリアさん。俺ちょっと、あそこで飯食っていいスか?バスの時間間違えちまって、あと三十分ぐらい待たなきゃいけないんですよ。それに何かユリアさんの顔を隠せるようなもんを探してみましょうよ」
「あ、はい。わたしはかまいませんが」