縁隔操作(えんかくそうさ)
「まあ、素敵な田園風景ですね。わたしは家からほとんど出ないから、知りませんでした」
「いや、もうド田舎でしょ?科学技術の街とか言っても、ちょっと離れりゃこんな風で」
「いえ、最新の科学技術とこんな昔ながらの風景が隣合わせにあるなんて、素敵じゃないですか。わたしは好きだな、こういうの」
四十分ほどでバスは神社の参道の入り口に到着した。上り坂を歩いて十分足らずで筑波山神社の拝殿に着く。ユリアは参道に並ぶ土産物屋をしきりにキョロキョロ覘いては小さな歓声を上げていた。
神社は棚田みたいに土地がいくつかの段になった、その一番上にある。一つ一つは割と短いがけっこう急な石段を何度も登る事になる。俺は一応ユリアに確かめた。
「あのう、階段登るの大丈夫ッスか?」
「フフフフフ……このユリアのボディの実力を見せる時が来ましたね」
ユリアの口からは不敵な笑い声が響いた。
「確かに階段を昇り降りするのは難しいんですけど、わたし猛特訓してますから。驚かないで下さいよ」
「おっ。自信満々スね。ああ、けど一応俺の手をつかんどいて下さい。森島教授から、そう言われているスから」
「ああ、はい。では行きましょう」
ユリアは右手で俺の左の手首をつかんで、石段に足をかけた。そして男の俺もびっくりするような速さで一気に駆け上がり始めた。ちょっとペースが速すぎないか?と思っていたら、急に俺の両足が宙に浮いた。なんとユリアの駆け上がるスピードが速すぎて、俺の体が引っ張り上げられていた。もっとゆっくり、と声をかけようとしたが俺の全身は石段の角にぶつかってそのまま引きずり上げられ、声を出すどころじゃなかった。
「いや、もうド田舎でしょ?科学技術の街とか言っても、ちょっと離れりゃこんな風で」
「いえ、最新の科学技術とこんな昔ながらの風景が隣合わせにあるなんて、素敵じゃないですか。わたしは好きだな、こういうの」
四十分ほどでバスは神社の参道の入り口に到着した。上り坂を歩いて十分足らずで筑波山神社の拝殿に着く。ユリアは参道に並ぶ土産物屋をしきりにキョロキョロ覘いては小さな歓声を上げていた。
神社は棚田みたいに土地がいくつかの段になった、その一番上にある。一つ一つは割と短いがけっこう急な石段を何度も登る事になる。俺は一応ユリアに確かめた。
「あのう、階段登るの大丈夫ッスか?」
「フフフフフ……このユリアのボディの実力を見せる時が来ましたね」
ユリアの口からは不敵な笑い声が響いた。
「確かに階段を昇り降りするのは難しいんですけど、わたし猛特訓してますから。驚かないで下さいよ」
「おっ。自信満々スね。ああ、けど一応俺の手をつかんどいて下さい。森島教授から、そう言われているスから」
「ああ、はい。では行きましょう」
ユリアは右手で俺の左の手首をつかんで、石段に足をかけた。そして男の俺もびっくりするような速さで一気に駆け上がり始めた。ちょっとペースが速すぎないか?と思っていたら、急に俺の両足が宙に浮いた。なんとユリアの駆け上がるスピードが速すぎて、俺の体が引っ張り上げられていた。もっとゆっくり、と声をかけようとしたが俺の全身は石段の角にぶつかってそのまま引きずり上げられ、声を出すどころじゃなかった。