白頭山の残光
ここでソナが口をはさんだ。
「ああ、もう!言っとくけど、日本だけじゃなくて韓国だってそうだからね」
「しかし、日本でも南朝鮮でも大学教育を受けるには金を払うんだろう?」
「ああ、北韓では教育は無料だったわね」
「教育を受けるのに金を取っておいて、その上仕事は自分で勝手に探せ、なのか?」
美里は思い切って訊いてみた。
「ソンジョン、じゃあ、北朝鮮ではどうやって自分の職業を決めるの?あんたは、どういう経緯で軍人になったわけ?」
「共和国では人民の仕事は国家から指定される。男はだいたい7,8年の兵役を終えた時に国家から職業を指定される。女は学校を卒業すると、専業主婦になるか国家から職業を決めてもらうか、どちらかだ。まあ、昔からたいていの女性は職業に就く事を選ぶが」
「あんたは軍人を希望したわけ?」
「いや……」
ソンジョンは急に口ごもった。
「俺は……実は学問の道に進みたかった。だが、俺は体がでかいし、学校の軍事教練の成績がずっとトップクラスだったから、軍に配属された」
「ちょっと待って。それって自分で職業を選べないって事になるんじゃないの?」
ここでソナがまた口をはさんだ。
「ねえ、ソンジョン。日本にも韓国にも職業選択の自由ってものがあるのよ。聞いたことある?」
「自由?……そうか、自由と言う事になるのか……」
「その代わり、学生は自分で就職先を探さなきゃならないし、失業する事もある。その場合も新しい職場を自分で見つけなきゃいけない。でも、逆に言えば、誰でも就きたい職業を自由に選べるって事よ。それだと、あんただって学者になりたけりゃなれたんじゃない?国家がどう言おうと。あと、答えられるならでいんだけど……軍事教練なら韓国にだってあるけど、その成績がいいだけで、その年で対外諜報任務の特殊部隊に入れるものなの?」
「俺はソブンがいいから。多分それが特殊部隊に配属された理由だと……」
「ああ、もう!言っとくけど、日本だけじゃなくて韓国だってそうだからね」
「しかし、日本でも南朝鮮でも大学教育を受けるには金を払うんだろう?」
「ああ、北韓では教育は無料だったわね」
「教育を受けるのに金を取っておいて、その上仕事は自分で勝手に探せ、なのか?」
美里は思い切って訊いてみた。
「ソンジョン、じゃあ、北朝鮮ではどうやって自分の職業を決めるの?あんたは、どういう経緯で軍人になったわけ?」
「共和国では人民の仕事は国家から指定される。男はだいたい7,8年の兵役を終えた時に国家から職業を指定される。女は学校を卒業すると、専業主婦になるか国家から職業を決めてもらうか、どちらかだ。まあ、昔からたいていの女性は職業に就く事を選ぶが」
「あんたは軍人を希望したわけ?」
「いや……」
ソンジョンは急に口ごもった。
「俺は……実は学問の道に進みたかった。だが、俺は体がでかいし、学校の軍事教練の成績がずっとトップクラスだったから、軍に配属された」
「ちょっと待って。それって自分で職業を選べないって事になるんじゃないの?」
ここでソナがまた口をはさんだ。
「ねえ、ソンジョン。日本にも韓国にも職業選択の自由ってものがあるのよ。聞いたことある?」
「自由?……そうか、自由と言う事になるのか……」
「その代わり、学生は自分で就職先を探さなきゃならないし、失業する事もある。その場合も新しい職場を自分で見つけなきゃいけない。でも、逆に言えば、誰でも就きたい職業を自由に選べるって事よ。それだと、あんただって学者になりたけりゃなれたんじゃない?国家がどう言おうと。あと、答えられるならでいんだけど……軍事教練なら韓国にだってあるけど、その成績がいいだけで、その年で対外諜報任務の特殊部隊に入れるものなの?」
「俺はソブンがいいから。多分それが特殊部隊に配属された理由だと……」