白頭山の残光
 そして、サイクロトロンのトンネルの中を少し歩くと、それが視界に飛び込んできた。そこだけ景色がグニャリと歪んだような、奇妙な空間。過去の北朝鮮へと通じる時空の穴。
 三人は無言でうなずき合い、ソンジョン、美里、ソナの順に穴に向けて飛び込んだ。体が落下しているような奇妙な感覚が一瞬襲い、美里は気が遠くなりかけた。そして次の瞬間美里の体はひんやりした地面の上に叩きつけられた。
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