お隣サンは元彼クン
『嘘でしょ。冗談は顔だけにしてよ。』
『こんなおもしろくない冗談言うほど主婦は暇じゃないわよ』
『だって柊二って、あの前田柊二で、間違いないわよね。あたしも、よく知ってる…』
『そうよ。その柊二よ』
『えーーーー!!いやーーーん!!何、そのドラマみたいな偶然。現実にあるの?偶然元彼が、隣に引っ越してきましたみたいな』
『あったからびびってんじゃない!!』
『神様のイタズラか。それとも運命のイタズラか…』
『そんなん、どっちでもいい。悩んでるのは…』


『司くんの事でしょ。』
果歩が、いつものトーンに戻った。
『なんで言わなかったのかねぇ中学の同級生って普通に言えばよかったのに。そんな、付き合ってましたぁみたいにバカ丁寧に言う必要はないんだから。』
『反省してる。かなり後悔した。マジどうやったらいい?やっぱ今更言うとか変だよね。このまま知らない人として嘘を突き通すべき?』

『遅くなんてないわよ。今から言っても全然遅くない。うちの中学何クラスあったと思ってんの?10クラスよ。3年間同じクラスに、なったことが、なかった奴らなんて数しれず。卒アル開いたら見た事もないような奴、何人もいたわよ』
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