お隣サンは元彼クン
『そんなんじゃなくて、あたしが逆の立場でもイヤだと思うから。隣に元カノが引っ越してきたらやっぱやだよ。』
『まっそりゃそうだ。でも現実に、この壁の向こうには昔、あんなに愛し合った元カレがいるのよ。ちょっと息子が寝ている間に、隣の部屋を訪ねる…見つめ合った二人には言葉なんて、いらず10年間の空白を埋める為、ひたすら肌を重ねた…なぁんちって』
『んな事あるわけないでしょ。バーカ』
『絶対無いなんて言いきれないでしょ。そんな想像しながら、ちょっとでもこの偶然のハプニングを楽しみなさいよ。スリルと思えばいいのよ。もしかしたら神様からのプレゼントかもよ。あんた最近ドキドキしたりキュンってしたりした事あった?』

正直、果歩から言われて考えた。結婚して、なぜか安心してしまい、当たり前だけど恋も、できなくて、付き合ってる頃のドキドキやキュンなんて、ない。


『無い…かも…』

『でしょー!!だから神様のイタズラじゃなくて神様からのプレゼントよ!とにかく、そう思って、せっかくの、この状況楽しみなさい!あと、あんた最近そこのスーパーまで買い物行く時、スッピンでしょ。それもダメよ化粧して行きなさい』
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